*1 思えば、GⅠという響きが特別なものになったのはいつ頃からだったろう。 グレード制の導入以前、今でいうGⅠにあたる重賞はもちろんあったけれども、だからといって、それらの全部が今みたいに大層なものだったわけでもない。 たとえば、いい例が安田記念。それまでもマイルの重賞としては知られていたけれども、正直、今の感覚で言えばGⅢ程度の軽いもの。同じく、スプリンターズステークスにしても、6ハロンという特殊な距離の重賞というだけのことで、まさかそれが今みたいにGⅠに格付けされることになるとは、その頃ちょっと思ってもみなかった。朝日杯にしてもそうだ。暮れの二歳(当時は三歳)チャンピオン決定戦という意味はあっても、まさかGⅠの大一番になるとは誰が予想していただろう。 もうさんざん言われつくしていることだけれども、グレード制の導入というのは単なる重賞の格付けのためだけではなく、スピード重視、マイラー重用
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