東京湾の最奥部に、広大なカキ礁があるのをご存知でしょうか。猫実川河口のカキ礁のうち最大のものは、最大幅約48m、最大長約120m、周辺に点在する礁も換算すると約5000平方メートルもあるカキの島です(写真1)。島そのものの存在は以前から知られていましたが、死んだ貝殻が積もった「カキガラ島」と考えられていたものです。調査を詳細に行ってみると、高密度な部分には、マガキ約1000個体/m2 の生息数が確認され、島を構成するカキの殆どが生きたカキだとわかりました。このような場所が東京湾の最奥部に残されていたのは驚きです。カキ礁研究の第一人者の鎮西清高先生(京都大学名誉教授)は猫実川河口のカキ礁をご覧になった際は大変驚かれ、「数十年以上の長い年月をかけて形成された貴重なものだと思います、後世に残して欲しい」というコメントを残されました。新聞各社が猫実川河口のカキ礁をカラー写真入り記事で報道しました。