映画「日本の夜と霧」(大島渚監督)や「黒い雨」(今村昌平監督)などで知られる脚本家で元日本シナリオ作家協会会長の石堂淑朗(いしどう・としろう)氏が11月1日に膵(すい)臓(ぞう)がんのため死去していたことが1日、分かった。79歳。葬儀・告別式は近親者で済ませた。遺族の希望で公表は1カ月控えていた。 東大卒業後、昭和30年に松竹大船撮影所に入社。35年に大島監督と共同で手がけた「太陽の墓場」で脚本家デビューした。同年の「日本の夜と霧」でも、大島監督と脚本を執筆。松竹ヌーベルバーグの旗手として注目された。 後にフリーの脚本家となり、多くの映画やテレビで活躍。映画「黒い雨」(平成元年)では、日本アカデミー賞最優秀脚本賞(今村監督と共同執筆)を受賞した。テレビでは「マグマ大使」や「帰ってきたウルトラマン」「必殺仕掛人」などを手がけた。日本映画学校校長も務めた。