日本のインフレ率は最大でも4%=藻谷俊介 本誌4月5日号のこのコラムで、次のように記した。メインシナリオであった中国経済再加速による世界経済の短期的な回復は、ロシア軍によるウクライナ侵攻によって見通せなくなった。ただし開戦前夜までの指標を見る限り世界経済には強さがあり、平和と繁栄への希望も失わないようにしたい──。 ところが、その後の1カ月で二つの追加的な展開があって、残念ながら情勢はますます厳しくなっている。第一は急激な円安の進行で、後述するように日本国内のインフレ圧力が高まっていること。第二は肝心の中国、しかも上海や長春などの先進経済地域で新型コロナウイルスの新規感染者数が急増し、目先の世界牽引(けんいん)力が急低下していることである。 要はますます不透明になったということなのだが、エコノミストとしては不透明な中にも何らかの目星をつける必要がある。特にインフレ率についてはそうだ。 図1
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