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  • 『マジカル・ガール』 - 優しい悲劇 - 1953ColdSummer

    マ ジカル・ガール MAGICAL GIRL 2016(2014)/スペイン/PG12 監督/カルロス・ベルムト 出演/バルバラ・レニー/ルイス・ベルメホ/ホセ・サクリスタン/ルシア・ポリャン/他 魔法少女ユキコは 悲劇のはじまり。  上は大火事、下は大水、これな~んだ?(答え:インターネット) こんな世が世なら死罪に問われるような書き出しでブログを更新している間にも季節は移ろい誰にも止められない時の河は続いてゆくわけですが、紳士淑女オタクサブカルキチガイコジャレ各位が今日もインターネットで貴重な時間をドブに捨てているであろうこの瞬間にもどこかで詩が生まれ、小説が生まれ、音楽が生まれ、映画が生まれ、遠く以西把爾亜では『マジカル・ガール』という秀作ノワールが生まれているわけです。秀作。秀作だなんて臭作みたいな形容で不快になった人が居たらゴメンクサイ。という事でその存在を知った時からツバつけて

    『マジカル・ガール』 - 優しい悲劇 - 1953ColdSummer
  • 人間は所詮、煙か土か食い物 - 『グリーン・インフェルノ』 - 1953ColdSummer

    グ リーン・インフェルノ THE GREEN INFERNO 2015(2013)/アメリカ/チリ/R18+ 監督/イーライ・ロス 出演/ロレンツァ・イッツォ/アリエル・レビ/ダリル・サバラ/カービー・ブリス・ブラントン/マグダ・アパノヴィッチ/イグナシア・アラマンド/アーロン・バーンズ/ニコラス・マルティネス/スカイ・フェレイラ/他 そこは、人間が喰われる地獄――   ビバ、オモロ日記(特定個人にリスペクトを捧げた挨拶)!  ツカミから90年代スメルを隠し切れないくらい脳が弱っています。暑いんで。ところで薄々気付きつつも知らないフリしてたんですが改めてググッてみたところ、「ツカミ」ってお笑い用語らしいっすね。お笑いなんかミジンコほどの興味も無い上、そんなノリで大して親しくもない人間が接してくるとマイナスドライバーで脳味噌のネジを耳から巻き戻してやりたくなるのですが。ほで、マイナスドライバ

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  • 『レヴェナント:蘇えりし者』 - ヴァルハラ・マラソン - 1953ColdSummer

    レ ヴェナント:蘇えりし者 THE REVENANT 2016(2015)/アメリカ/R15+ 監督/アレハンドロ・G・イニャリトゥ 撮影/エマニュエル・ルベツキ 音楽/坂龍一/カーステン・ニコライ 出演/レオナルド・ディカプリオ/トム・ハーディ/ドーナル・グリーソン/ウィル・ポールター/フォレスト・グッドラッグ/他 原作/マイケル・パンク 復讐の先に、何があるのか。 『レヴェナント:蘇えりし者』を観てきました。デカプーがやっとこさアカデミー賞主演男優賞を受賞したとかで映画ヲタクがSNS限定で発狂してたあの映画ですね。 怖いですね。 近寄らんとこ。と最初は思っていたのですが、“REVENANT”といえば何かのゲームで(確かサガ2秘宝伝説)高位のアンデッドだったなぁ、ははは。なんてな事を思っているうちに、何故か映画館に向かってピンク色のママチャリを漕いでいる自分が居たのでありました。 怖い

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  • 『不屈の男 アンブロークン』 - 人を赦して、映画も許して - 1953ColdSummer

    不 屈の男 アンブロークン UNBROKEN 2016(2015)/アメリカ/PG12 監督/アンジェリーナ・ジョリー 脚/ジョエル・コーエン/イーサン・コーエン/他 出演/ジャック・オコンネル/ドーナル・グリーソン/MIYAVI/ギャレット・ヘドランド/フィン・ウィットロック/他 監督/ローラ・ヒレンブランド/『不屈の男 アンブロークン』  この精神(こころ)は、絶対に折れない。 ※このエントリはネタバレを含み〼   やいジャップ。  物足りん、物足りんわ……まるで……! というのは作を観た健全な日人が抱くごく普通の感想ですが、 大ジャップランド帝国のチンピラ による、目を覆いたくなる凄惨なアメリカ人捕虜虐待のシーンがあるとか、 いつも腹を空かせているジャップが外国人をべる シーンがあるとか、事前に錯綜していた情報に期待に胸膨らませていざ観てみたらば、ジャップの蛮行の10000分

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  • 『サウルの息子』 - 僕の背中? 僕が向かう景色? - 1953ColdSummer

    サ ウルの息子 SAUL FIA/SON OF SAUL 2016(2015)/ハンガリー/G 監督/ネメシュ・ラースロー 出演/ルーリグ・ゲーザ/モルナール・レヴェンテ/ユルス・レチン/トッド・シャルモン/ジョーテール・シャーンドル/他  最期まで<人間>であり続けるために―  その常軌を逸した長回しの数々により、評論スジのみならず評論メコにまで「なんかすげえ、 なぜかというとカットすうがすくないからだ 」と言わしめたタル・ベーラ監督ですが、そのお弟子さんがこのたび長編劇映画の監督としてデビュー、しかも数々の受賞歴を引っさげて、という事で、作『サウルの息子』には結構前から目をつけていたことをここに白状いたします。“ゾンダー・コマンド”という、日常生活を送る分にはまず耳にしないであろう役職の説明から入るオープニング。焦点のぼやけた世界が一人の男の顔にピントを絞り焦点を結ぶに至って、後景化

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  • 楽園に殺人は存在しない - 『チャイルド44 森に消えた子供たち』 - 1953ColdSummer

    チ ャイルド44 森に消えた子供たち CHILD 44 2015(2014)/アメリカ/PG12 監督/ダニエル・エスピノーサ 製作/リドリー・スコット/他 出演/トム・ハーディ/ゲイリー・オールドマン/ノオミ・ラパス/ジョエル・キナマン/パディ・コンシダイン/ジェイソン・クラーク/ヴァンサン・カッセル/他 原作/トム・ロブ・スミス/『チャイルド44』   大ロシア史を知れ とばかりに50年代のソ連の様子(スターリン政権がどうのとかいう いつものアレ )が冒頭、テロップでちょこちょこと流されるのだが、ピロシキ頬張って身構える間でもなく、大ロシア史あまり関係ないというかテロップで流された程度の前提知識さえあれば大・丈・夫と、子供殺しの捜査に政治的左遷などが繰り広げられる。のだが、全体的に寒色気味な印象を受けた。映像が寒いのはロシアを舞台にしているだけあって仕方がないのだけれども、今ひとつ胃の

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  • 『残穢 ‐住んではいけない部屋‐』 - ケガレの累加アップキープ - 1953ColdSummer

    残 穢 ‐住んではいけない部屋‐ 2016(2015)/日 監督/中村義洋 出演/竹内結子/橋愛/坂口健太郎/ 滝藤賢一/佐々木蔵之介/他 監督/小野不由美/『残穢』 奇妙な「音」の謎は、 その部屋の「過去」につながる――。  呪いは成就するが穢れは飛散する、という事を鹿爪らしく書いた原作の後味の悪さがいかに再現されているのか、或いは中村義洋節で呪いのビデオに再構築されているのか、興味半分怖さ半分で観てきた。ほで、アイドルまがいの女優にキャーキャー絶叫させればいいのだろうという志の低い凡百とは違ってたいへん志の高い、いや「志の高い」というのはちょっと違うか、言わば 粘度の高い 映画であった事は確かなのだけれども、原作には登場しなかった霊体の姿を借りたケガレを登場させた事には賛否が別れるだろうと思う。一般的にホラーとしての訴求力が視覚的に分かりやすい怪異にあるというのは『 パラノーマル・

    『残穢 ‐住んではいけない部屋‐』 - ケガレの累加アップキープ - 1953ColdSummer
  • 『クリード チャンプを継ぐ男』 - 鬼を継ぐもの - 1953ColdSummer

    ク リード チャンプを継ぐ男 CREED 2015(2015)/アメリカ/G 監督/ライアン・クーグラー 出演/シルヴェスター・スタローン/マイケル・B・ジョーダン/テッサ・トンプソン/フィリシア・ラシャド/アンソニー・ベリュー/グレアム・マクタヴィッシュ/他   アドニス・クリード(マイケル・B・ジョーダン)の濡れそぼった子犬のような目がかわいい。 その愛くるしさに萌え狂うあまり忘れがちですが、我々は作を『 ロッキー 』エピソード7として観るか、スピンオフとして独立したひとつの映画として受容するかの岐路に立たされています。過去に学ぶか未来を見遣るか非常に難しい問題ですね、何で映画を観に行って知恵熱をもらって帰らねばならないのでしょうか。しかし自分なりに結論付けてみた結果、やはり作は『帰ってきたロッキー』『ロッキー・バルボア・リターンズ』と言わねばならず、それ即ちアポロの息子のボクシン

  • 心臓の弱い方とフェミニストの方はお引き取り下さい。『青春H2 超・悪人』 - 1953ColdSummer

    青春Hセカンドシーズン 超・悪人  2011/日 監督:白石晃士 主演:宇野祥平 「青春」と「H」をテーマにした青春Hシリーズ、の、白石晃士監督作品(古澤健監督の『青春H making of LOVE』の感想はこちら)であり、前作『バチアタリ暴力人間』(自分の感想はこちら)にもその片鱗が見られたPOV形式でお話は進んでいく。 「お話は進んでいく」なんて真顔で書いたが、おほ、このお話というやつが、おほほっ、これがまた盆暗で低俗で卑猥なことこの上なく、『超・悪人』というタイトルを冠するに相応しい……と言いたいのは山々だが、はっきり申し上げると、映画の筋としては『バチアタリ暴力人間』の方が面白く、また、インモラルな描写による常識への否定性も中途半端になってしまっている感が否めない。某媒体で、『悪人』(自分の感想はこちら)に対する当てこすり的な紹介をされていたのも少々鼻についた。  とは言い条、

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