・閉じこもるインターネット――グーグル・パーソナライズ・民主主義 「グーグルで○○で検索して3番目にでてくるのが私のページです」という説明は、少し前から通じなくなっている。グーグルは検索結果のパーソナライズに取り組んでおり、過去にどんな検索をしたかによって、検索結果の順位をユーザーごとに変更しているのだ。ある人には3番目でも、普段の検索傾向が違う人には異なる順位で出てくる。 グーグルだけでなくネットの至る所にパーソナライズは仕掛けられている。ネット技術に習熟した人ほど、自分の興味関心のある情報が密度濃く現れる情報宇宙に包まれる。この現象を著者は"フィルターバブル"(これが原題)と呼んでいる。 フィルターバブルに包まれると目障りなものは見なくていいし、聞きたくないことは聞こえない。一見、自分を中心に世界が回っているような魅力的な情報空間に思えるが、多様な情報、異質な情報のインターネットの本来