※以下ネタバレ注意です。 “ブルックリンの恋人たち”は、感覚的な映画でした。 レスリーは事故に合い、意識を失い入院してしまう。そして、姉のフラニーは彼の意識を取り戻そうと、病室に彼の日常を再現しようとします。弟の日常を日記から感じ、ブルックリンを巡ります。 病室では、彼の五感を刺激して意識を取り戻そうとする風景が描かれています。パンケーキにかけるシロップの香り、港の波音や船の汽笛、彼の好きな音楽、フラニーの掌とその時の体温。あっ、食事が出来ない状態なので四感ですね。でも、ぼんやりと開いた口腔に流れ込む空気に含まれた味覚物質から、舌はわずかに刺激を受けているかもしれません。 意識を失っていても、網膜はまぶた越しに光を感じ、鼻腔は香りを、鼓膜は音色を、身体は世界を感じながら生きているのです。 フラニーは、そんな日々の中で一緒に彼の意識を取り戻そうと協力してくれるジェイムズに恋をします。 レスリ