ブックマーク / kimerateiru.hatenablog.com (3)

  • 街の気配を感じて、:ブルックリンの恋人たち - シッポノリンカク

    ※以下ネタバレ注意です。 “ブルックリンの恋人たち”は、感覚的な映画でした。 レスリーは事故に合い、意識を失い入院してしまう。そして、姉のフラニーは彼の意識を取り戻そうと、病室に彼の日常を再現しようとします。弟の日常を日記から感じ、ブルックリンを巡ります。 病室では、彼の五感を刺激して意識を取り戻そうとする風景が描かれています。パンケーキにかけるシロップの香り、港の波音や船の汽笛、彼の好きな音楽、フラニーの掌とその時の体温。あっ、事が出来ない状態なので四感ですね。でも、ぼんやりと開いた口腔に流れ込む空気に含まれた味覚物質から、舌はわずかに刺激を受けているかもしれません。 意識を失っていても、網膜はまぶた越しに光を感じ、鼻腔は香りを、鼓膜は音色を、身体は世界を感じながら生きているのです。 フラニーは、そんな日々の中で一緒に彼の意識を取り戻そうと協力してくれるジェイムズに恋をします。 レスリ

    街の気配を感じて、:ブルックリンの恋人たち - シッポノリンカク
  • これからも続く物語。その途中で振り向いて、:ベルギー奇想の系譜展 - シッポノリンカク

    木漏れ陽を浴びて緩やかなスロープと階段を上ると、大谷石で装飾された美術館が見える。中庭に在る大きな赤いチューブが印象的なその建物は、宇都宮美術館です。 5月7日まで開催されている“ベルギー奇想の系譜展”に行ってきました。 奇想と形容されている作品の数々はグロテスクやユーモラスある作品です。ベルギーにおいて、15世紀から現代のアートに至る奇想の系譜が楽しめる企画展です。 狂気すら感じる奇想な作品群を鑑賞する事に戸惑いながらも足を運びました。 戸惑い悩むくらいなら忘れてしまえば良いのです。しかし、嫌悪や恐怖を感じる度に、その感情が意識の隅に残ってしまい、怪奇への好奇心が囁きます。実物を鑑賞する機会を逃した事で後悔をしたくない、そんな気持ちも好奇心を後押ししました。 美術館へと入り、立体作品が展示されている中央ホールの左右に展示室が配置されています。中央ホールの作品からはユーモアを感じて、恐怖に

    これからも続く物語。その途中で振り向いて、:ベルギー奇想の系譜展 - シッポノリンカク
  • 陽の光を浴びて、:Mr.ホームズ 名探偵最後の事件 - シッポノリンカク

    完全な推理は、何度行っても同じ結論に至ります。しかし、回想は、意識に復元される度に歪められてしまいます。そして、再び記憶される。だからこそ悲しみや恐怖を受け入れ、幸福を膨らませる事が出来るのだと思います。そして、健気な絆が回想する勇気や喜びを与えてくれます。 ※以下ネタバレ注意です。 映画“Mr.ホームズ 名探偵最後の事件”はシャーロック・ホームズの晩年が描かれています。ホームズ93歳の体力は衰え、記憶も定かでなく、同居する家政婦親子に支えられ生活しています。都会を離れ、海の近い自然の中で養蜂を楽しみながら日々を過ごしています。ホームズと家政婦とその息子の3人暮らしです。 共に暮らすロジャー少年の存在が、衰えたホームズの心を刺激します。そして、ホームズの観察眼や推理力が、ロジャーの若い好奇心を育みます。潮風を感じる大自然の中で描かれる老人と少年の交流が心を和ませます。穏やかな季節の中で、知

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