ブックマーク / kokounobonjin.hatenablog.com (9)

  • 嫁のシャウト - 孤高の凡人

    あのさ、帰ってきても一言も喋らんと、毎日毎日パソコンで一体何をやっとんねん。娘の音読もろくに聞かんとやかましい暗い音楽ばっかり聴きやがって、こっちまで暗なるわ。叩き壊すぞそのスピーカー。パンク?ロック?いつまで言うてんねん、そんなもんモラトリアム期間で済ませてこいよ、最後に履いたドクターマーチンに突っ込んで捨てるべきものだろ。死んだんだよ。ロックは。死んだんだよ。きみは。台所の雪平鍋の取れかけた取手を、器用に修理した時にきみのアイデンティティは砕けて散ったんだよ。排水溝にネギと豆腐の欠片と共に、流れていったんだよ。いつまでしがみついとんねん。豆腐かお前は。ほんでなんや、ぴこぴこぴこぴこ、何をしとんねん。ブログか、見たわ。嘘ばっかりつきやがって、吉田羊さんにアピったことは今、ここで、今、すぐ、あたしたちに対してやるべきことちゃうのか。書いてる暇があれば、そこに落ちてるご飯粒のひとつでも拾って

    嫁のシャウト - 孤高の凡人
  • またひとりぼっちになった - 孤高の凡人

    2016 - 08 - 05 またひとりぼっちになった ぼくが楽器を始めたのは、ぼくが音楽を聴くようになってから5年が経ってからだった。 高校生の頃、音もなく壊れたぼくの精神を救ってくれたのが70年代初期パンクだった。そしてぼくはそれを追うのではなく、まるで命を繋ぐ鮭のようにその大きな川を遡った。そこ道中で出会うロックンロールによって、ネガティヴの権化のようだったぼくは、いくらかポジティブな考え方が出来るようになっていく。キモオタと同じように黒いTシャツを着て、さらなる黒さ、さらなる深さを求め辿り着いた先がブルースであった。情弱で貧乏だった僕はインターネット通販のようなものも知らず、小銭を集めては、ブルースを買いに出かけた。ぼくの求めるブルースは君たちが通っているようなTSUTAYAみたいなお店には置いていなくて、社会にうまく混ざれず、取り残されたようなおっさんが自分の趣味のレコードをその

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  • 『3』の時だけブルーになる - 孤高の凡人

    2016 - 07 - 30 『3』の時だけブルーになる 深夜。そう深夜である。その深いコバルトなブルーの真ん中で私は立ち尽くしていた。 ブルー。そうブルーなのだ。その顔色もさる事ながら血、臓器、骨、皮膚、それら全てがブルーである。私はそのブルーな手の、ブルーな人差し指、その人差し指の先にある爪、その爪の根元にある生まれたばかりのタンパク質。爪半月と呼ばれるその部分と、コバルトな空に浮かぶ月を交互に見つめながら、立ち尽くしていた。 尻ポッケに収まっている三つ折りの財布の中では、青いインキで描かれた3人の夏目漱石が陰気に身を寄せ合って、舞台袖で出番を待つ役者のように緊張の糸をポロロンと奏でる。 時間がない。上限が定められていない有料駐車場。その料金支払い機の前で、私は立ち尽くしていた。爪半月と同様にニヒルに笑う月明かりの下で、私は左手を清算機、右手を尻ポッケに当て、アンディウォーホールが描く

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  • 殴るのに最適なギター!おすすめ7選! - 孤高の凡人

    会社や学校、その他様々な場所で理不尽な仕打ちを受け、腹わたが圧縮鍋で調理したボルシチのようにグツグツと煮えくり返り、むかつく。 今すぐあいつを金属的なもので殴りたい。と思いながらもグッと堪え、悶々とした気持ちで日々を過ごしている。 そんな人が多いのではないだろうか。 よくやっていると思う。頑張っていると思う。 世の中にはすぐにカッとなって、鋭利な刃物や、栄養のある葉もので、人を刺して殺してしまうような残忍な人が多々おられる中、あなたは我慢をしている。 殴りたい気持ちを抑えて、我慢をしているのだ。 握りしめたその拳から流れる血は、とても美しいと思う。 しかし、誰にだって我慢の限界はある。 そんな時は、殴ってみてはどうだろうか。 ゴルフクラブ、金属バット、灰皿、植木鉢。 世の中には様々な殴るグッズがある。 しかしあなたはずっと我慢をしてきた、とてもかっこいい人間だ。 運転席でクラクションに何度

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  • 娘のカタツムリ - 孤高の凡人

    今日は土曜日。 世間のお父様方はお休みなのだろうか、公園で子供と遊ぶ姿を見ると、つくづく格差社会を痛感してしまう。 でも私は大丈夫、前職場では日曜日も当たり前のように出勤していたので、土曜日が仕事だろうが痛くも痒くもないのだ。 ただ今日はいつもと違う。 今朝早くから、嫁と娘が実家へ帰ったのだ。 私に愛想を尽かした訳ではない、彼女達は定期的に実家へ帰るのだ。 今日は一人で御飯をべなくてはいけない。嫁に渡された2日分の費、2000円を財布に仕舞い、私は仕事へ出掛けた。まだ6月も中旬、18日だというのに私の財布は空っぽだった。どうやら財布の底に穴が空いているようで、決して私がお菓子を大量に買っているからではない。 財布には2000円ジャストが入っていた。 梅雨とは思えない、真夏のような天気に救われ、現場作業は順調に進行した。 仕事の帰り道、私は思い出した。 明日は釣りに出掛けるのだ。 ちゅう

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  • 素人のバンドのダサいMCをなんとかしてあげたい - 孤高の凡人

    私は嗜む程度に音楽をやっている。 やっていると言ってもバンドを組んで、うぉおとロックンロールをやっているわけではなく、部屋の隅っこでひっそりとポロンポロンと弾いてみたり、山の方へ出掛けて、川に足を浸しながら、タラタラタラタラと弾いてみたりする程度で、一生懸命ライブ活動を行われているバンドマンや、ジャズマン、ブルースマン、アンパンマンからすれば、やっていると声高らかに言うこと自体がとても恥ずかしいので、今山の方へ来て、穴を掘って、そこに向かって、「やっているよ」と呟いている最中である。 やっているという事は、当然同じように音楽をやっている友達、知り合いがいくらかいるわけで。そういう人々のライブに行く事がある。 行くたびに思うのだが、演奏はとても素晴らしい。日々、喉から血を吹いたり、爪がベキベキに割れたり、練習の際の騒音により隣の家から呪いの言葉と共に烏骨鶏の卵を投げつけられたりと、そういった

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  • 平成のブルース - 孤高の凡人

    2016 - 05 - 16 平成のブルース 写真提供 https://www.facebook.com/takuya.tomiyoshi 外は雨。激しい雨。 私は今この激しい雨に打たれている。 涙を誰かに見られぬように。 泣いてる事を知られぬように。 ママ友にバレたくない夫の職業は○○! | 今日のこれ注目!ママテナピックアップ | mamatenna 私は建設業で働いている。 世間での建設業に対するイメージはそれはもう酷いもので、例えば土方のがママ友に旦那の職業を聞かれた際に、声高らかに言えなかったりする。一瞬間があったのち、「建築」と答える。建築と答える事によって夫が建築士である可能性を孕ませ、その場を回避する。 自身が愛したであろうメーンを誇れないなんて、何て可哀想な生き物なのだ。 でもそれは仕方がない事だと思う。 ママ友界は怖いところで、twitterを遥かに凌駕するその拡散力

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  • 罪と罰 - 孤高の凡人

    写真提供 https://www.facebook.com/takuya.tomiyoshi 私は建設業で働いている。 昔は小学生のなりたい職業ランキングの上位にランクインしていた『大工』も今では『ユーチューバー』にその座を奪われノーフューチャー。そんな業界で10年も働いている。 仕方がないのだ。罰を受けているのだ。 道を尋ねてきた外国人に、洋楽でつちかった流暢な英語で「ゴーストレート、フォーエバー」と真逆の方向を教えたり、自動車レースの対戦ゲームでゴール寸前の友達に青い陸亀の甲羅を投げてそれを妨害したりと、さまざまな業を重ねてきた。 神はそれらの罪を許してはくれないだろう。 そしてこのスカイツリーより高く積み上がった業を刈り取るのにおそらく私はこの短い生涯の全てを捧げる事になると思う。 覚悟の上である。 上記の理由で、私は建設業という下の下の業界で消耗し、ゲノゲの鬼太郎として生きている。

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  • モルヒネも効かぬ五月 - 孤高の凡人

    2016 - 05 - 10 モルヒネも効かぬ五月 写真提供 https://www.facebook.com/kizashi.ikeda 私は建設業で働いている。 高校生の時に「芸術系の大学に行くのだ!」と豪語してデッサンを習いに通っていた。 しかし馬と鹿の区別もつかない私は、受験の際に重要となる『内診』と概念を持ち合わせておらず、成績は補習に補習を重ねたオール2に毛が生えた程度、しかも出席日数ギリというスペックで国公立の芸大を受験しストレートで落ちた。 それもこれも幼い頃に蟻の巣に水を流して、「ジャスティス」と叫んでいた事による深い深いカルマが、私から『勝ち組』の人生を奪ったのだと思う。今更謝罪しても遅いかもしれないが、どうか蟻さま、この散々な有様の人生を見て、赦してほしい。 そしてもし赦してくれるなら、星とブックマークという形で表現してほしい。 というわけで下の下に成り果て、ゲノゲの

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