黒澤明(1910~98)と言えば日本を代表する映画監督ですが、彼は自分の作品の中での音楽にもかなりこだわりを持っていたそうです。そのため音楽を担当した作曲家とケンカ別れ、ということもありました。<どですかでん>と<乱>を手がけた武満徹(1930~96)がそうですし、<どん底>や<用心棒>、<椿三十郎>、<赤ひげ>といった1950年代から60年代にかけての黒澤映画の音楽を担当した佐藤勝(1928~99)も<影武者>の制作時に考えの違いから降板しています。 黒澤のこだわり、と最初に書きましたが、彼の音楽についての注文は「この場面には○○風の曲を付けてほしい」という言い方だったようです。因みに○○の部分には作曲家名や楽曲名が具体的に入るのです。この「○○風」というのが面倒なところで、だったらそのまま○○でいいじゃないか、と相手は普通思うはずなのですが、黒澤はあくまでもそのものではなくて「○○風」
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