自分の周りで今ちょっとした話題になっていて、なぜか医学書院 シリーズ「ケアをひらく」から出ている、國分功一郎氏が著した「中動態の世界」を読みました。この、「中動態」という言葉と、医学書院から出版されているという2点において、おそらくこの本はナラティヴについての本なのだろうという推測をしていたのですが、やはりそうでした。そして、自分の中では、今ヘルスケアの中で注目されているナラティヴ・メディシンとか、オープン・ダイアローグとか、信念対立解明とかのアプローチの妥当性をびしっと後押しする「文法」を教えてもらった気がして、とてもすっきりしたのです。本の内容は結構ゴリゴリの哲学、というか言語考古学で、ヘルスケアのアナロジーはほとんど出現しないのですが、ナラティヴ・メディシンとかオープン・ダイアローグとかに魅入られたヘルスケア・プロフェッショナルにとっては、その方法論的な基盤をがしっと支えてくれるとい