ブックマーク / note.com/miuranozomu (4)

  • 『私はあなたが憎らしくて、本当に羨ましく思う』|三浦 希

    『あなたには運がある。人望はそれなりにあって、誰から嫌われるでもなく、ましてやきっと、恨まれることなんか無いでしょう。「誰かが助けてくれる」といつも心のどこかで思っていて、それは毎回叶って救われる。あなたは幸運な人だ。私はあなたを憎んでる。それと同時に、心底羨ましいと思う。あなたのようになりたいと心から望んでいます。実現はきっとしなくて、私はあなたになれないから、どうしたらいいのか考えたんです。この先もきっと、こうして嫉妬の目を向けてしまうことはわかっていて、それでも何とかあなたを目指し、嫉妬の気持ちを努力のそれに置き換えることができるのか。私には無理だ。だからお別れです。諦めることにしました。あなたの存在が邪魔で仕方ないと思います。さようなら』 詩的な言葉に囲まれた、世にも幸運な人。大学の頃に出会った、きっとこれまでで一番素敵な人。僕はあの人のことが当に好きだった。正直、5,6年経った

    『私はあなたが憎らしくて、本当に羨ましく思う』|三浦 希
  • なぜチェーン店では「ご馳走様でした」と言わないのか。|三浦 希

    給料日まで、あと一週間。今月も例のごとく服や酒にお金を使いすぎたため、財布の中に3,000円しか持っていない。24歳にもなって、未だお金の使い方・残し方というものを知らない。つくづくダメな奴だ。 その日は、同居人を誘ってチェーンの牛丼屋に行った。メニューと財布の中身を交互に何度も確認し、一番安いメニュー「牛丼 並盛り ¥280」を注文することにした。隣の彼はたしか、キムチが乗ったのを頼んでいたと思う。これでは、貧富の差があまりに明らかだ。ちょっと見栄を張って僕もキムチのに変えようとしたが、1年半も一緒に住んでいれば別に格好付ける意味も無いだろうと思い、そのまま揃って席についた。 朝から何も腹に入れていなかった僕は、目の前のシンプル過ぎる牛丼をガツガツ貪った。頬から鼻の下、エラやアゴまでをも覆うヒゲのせいで、きっと、さながら刑期を終えた犯罪者のようであったと思う。牛丼は美味しかった。 互いに

    なぜチェーン店では「ご馳走様でした」と言わないのか。|三浦 希
  • 僕に対しては、別に敬語じゃなくて良いです。|三浦 希

    僕を「年上の人」として慕ってくださる方がいる。「先輩」になることもある。僕はいつも、もどかしくなる。 たしかに、目上の方に敬語を使うのは、ここ日において絶対必要なことであると思う。僕もそうしてるし、そうするのが常識だとは思う。50歳のおじさんに「そうだよね〜!」なんて言ってる人は、きっといない。 ただ、こと僕に対しては、そういう類のものは不要である。僕はそこまで出来た人間じゃない。「目上」なんてカテゴリーに入れて良い人間じゃない。自分のことは、酒を飲んで酔っ払ってるだけの、ただのくだらない奴だと思っている。僕より年下で、僕よりもずっと立派な人なんかごまんといる。これは、自分を卑下しまくりネガティブな感情に任せ切って言っている訳ではない。心からそう思ってる。僕よりもちゃんとしてる20歳。21歳、22歳。 もちろん、僕以外の年上の人に対しては、きっちり敬語を使った方が良い。それは当たり前の話

    僕に対しては、別に敬語じゃなくて良いです。|三浦 希
  • 服を着るということは、「思い出を身につける」ということである。|三浦 希

    朝。むっくり起きて、顔を洗い、コーヒーを飲み、タバコを一吸う。僕は「ていねいな暮らし」なんていうのをできるようなマメな人間じゃないから、この順はいつも乱れる。コーヒーを飲まない日も、タバコを二吸う日だってある。鮭とばをべることも。僕の朝にルーティーンは無い。 唯一、「服を着る」というのだけである。『そんなもんみんなやってるだろ』という言葉は、全くその通り。みんな服を着る。その日は何を着て過ごそうか、ちょっと考える。天気アプリを開いたり、テレビを見て気温を確認したりする。雨が降りそうなら、寒そうなら、どんより曇りがちなら。そうして服装を考え、身につける。 服装を左右するものには、"TPO" というのもある。特に、「場所」の "P" と、「場合」の "O" が。会社に行く時はスーツ。好きな女の子に会う時にはちょっと綺麗な格好を。普段はTシャツの裾で拭いてしまう濡れた手も、デートの時にはハ

    服を着るということは、「思い出を身につける」ということである。|三浦 希
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