ブックマーク / note.com/sac_ring (14)

  • 勉強がたのしいって知らなかった、早く言ってよ案件。|桜林 直子(サクちゃん)

    わたしはあまり勉強がすきではなかった。と、最近までそう思い込んでいた。 小学生や中学生のとき、勉強は「答えを出すもの」だった。答えを出すために知識を得て、暗記して、必要な時に使えるように勉強していると思っていた。もともとある情報や方法を、自分の中に入れることだと思っていた。 基的なベース作りの段階ではただ入れることも必要だけれど、大人になって知ったのは、勉強は、自分が知りたい、わかりたい、できるようになりたい、ということを引き出すのがスタートで、自分の中に知識を入れる→必要な時に使う という順番ではないってこと。(早く言ってよ案件) 子どもの頃から、わたしの「わかりたい、知りたい」という気持ちはとても大きかったけれど、それがいいことだと思える経験がなかった。「なんで?どうして?とうるさい、しつこい」「子どもらしくない」と言われてきたので、たとえば図書館で心理学や哲学のコーナーにいるときに

    勉強がたのしいって知らなかった、早く言ってよ案件。|桜林 直子(サクちゃん)
  • わたしは口が悪い。|桜林 直子(サクちゃん)

    先日、友人の小倉ヒラクくんと話していたとき、彼が目をキラキラさせながら、ものすごくうれしそうに「サクちゃんって、ほんとに口が悪いね!」と言った。「おまえもな!」と思いつつ、「そうなんだよねえ」と返した。 わたしは、口が悪いのだ。 一般的に口が悪いというと、「誰かや何かのことを悪く言う」「汚い言葉を多用する」というイメージがある。わたしは汚い言葉はできるだけ使わないようにしているし(他にぴったりの言葉がないと止むを得ず使うこともある)それで悪い印象を人に植え付けたいわけではない。できればよい印象のほうがいい。 ただ、ひとによい印象を与えたいという気持ちよりも、大事にしていることがある。 「ひとに悪い印象を与えたくない」「よい印象を与えたい」というように「相手にどう思われるかを気にする」ということは、相手の感情をコントロールできると思っているのと同じことで、じつは傲慢なことなのではないかと思っ

    わたしは口が悪い。|桜林 直子(サクちゃん)
  • どこまでを「自分」とするか、考える。|桜林 直子(サクちゃん)

    クリスマスが過ぎて急に年末モードになり、ぼんやりと2017年がどんな1年だったかなーと思い返してみた。 今年は、年始から半年間「コルクラボ」に参加して、コミュニティについて勉強をした。 それまでは持っていなかった視野でいろんなものを見て、普段は読まない分野のを読んで、分析したり議論したり考察したりした。そこに行かないと会えなかったであろうたくさんの人たちと出会うこともできたし、なにより仕事でも遊びでもないその時間はとても楽しいものだった。 そこで勉強をして身についたことはたくさんあったけど、いちばんおもしろかったのは、自分の意思で選びとっていないテーマについて考えたり、他人の視点を借りて世の中を見たりしたことだった。 「世の中をどう見るか」というとき、ある人は世界を変えたいと思っていたり、ある人は業界を見据えていたり、ある人は明日の献立だったりする。 「自分をどう見るか」というとき、ある

    どこまでを「自分」とするか、考える。|桜林 直子(サクちゃん)
  • 習慣は味方、思いこみは敵|桜林 直子(サクちゃん)

    SNSに並ぶ「今年の目標」を見て思ったこと。 わたしは日付で区切るのが苦手なので、新年に抱負や目標をたてることはなかったのだけど、ここ数年はあえて「なにをするか」を決めて1年間行動していた。 行き先の設定としての「目標」をたてることが昔からできないので、「習慣づける行動を決める」というやり方をしている。たとえば「3kg痩せる」ではなく「通勤時に2駅歩く」というように、動機が「痩せたい」だとしたら、ゴール設定ではなく習慣にすることだけを決める。 わたしは常々「習慣だけが味方」だと思っている。 習慣について、思い出すことがある。 クッキー屋をはじめてしばらくは、わたしもクッキーを作る作業をしていたのだけど、アイシングでデコレーションをするなどの細かい作業を長時間やっていた結果、頚椎ヘルニアになってしまった。痛くて仕事にならないので、リハビリとしてジムで筋トレをはじめた。代謝を上げるためと、肩甲

    習慣は味方、思いこみは敵|桜林 直子(サクちゃん)
  • 編集者、最強なのでは?という仮説|桜林 直子(サクちゃん)

    わたしは「やりたいこと」が特にない(叶え組)ので、何かをはじめるときの動機は「これがしたい」ではなく「わからないからわかりたい」ということが多い。そして、あとから「ああ、こういうことか!」と自分のしてきたことがわかる。というのがいつものパターンだ。 「編集」について勉強してきたことも、はじめはいったい何がしたいのか自分でもわかっていなかったのだけど、振り返ってわかったことを少し書いておこうと思う。 「編集」を、cakesの加藤さんは「影響力を最大化すること」だと言い、コルクの佐渡島さんは「集める、削る、並べかえる、補足する」の繰り返しだと言う。 9年前、30歳のときに「会社を辞める」ということだけ決めて、「では何をするか?」と、2年間みっちり考えた。(くわしくは過去に書いてるのでよかったらどうぞ) 自分が何ができるのか、何を優先していきたいのか、何をしたくないのか、何が足りないのか、とにか

    編集者、最強なのでは?という仮説|桜林 直子(サクちゃん)
  • 20歳の「なんかちがう」は正解だった。|桜林 直子(サクちゃん)

    成人の日か、と自分の成人式の日のことを思い出してみようとしたのだけど、その日になにがあって誰と会ったのか、不思議なほど覚えていないので驚いた。ただ、その頃いつも抱えていた「なんかちがう」という感覚だけは覚えている。 20歳当時はまだ学生(専門学校の2年生)で、その年の4月に某パティスリーに就職が決まっている時期だった。すでにそのお店でアルバイトもしていた。就職したら朝から晩まで長時間働いて月給14万円、休みは月に4日、こわい大人のこわい社会、少ないお金と少ない睡眠時間、つらい仕事とつらい人間関係が待っていると、ただただ怯えていた。 さらに、その前の年に父が脳梗塞で倒れて入院していたので、この先の自分には、乗り越えるべき壁と、ガマンする茨の道が待っているのだとガチガチに身構えていた。楽しむことはすっかり諦めていたように思う。 自分は人とちがってつよくならないといけない。自分は人とちがって楽し

    20歳の「なんかちがう」は正解だった。|桜林 直子(サクちゃん)
  • 不満は財産、不安は鍵。|桜林 直子(サクちゃん)

    これもまた会社員時代の話なのだけど、わたしは前回のnoteに書いたように、お節介で解決魔なのと、在籍期間が長く年下のスタッフばかりだったので、社内で保健室のおば…おねえさん(20代だったし!)のような役割になることが多かった。 「なにかあったらこの人に言えばいい」と頼ってくれることは、うれしくもあり、気がつくとどんどん仕事が増えるという問題もあり、「解決してあげたいけどこれキリがないな!」という感じだった。 キリがないので、その対策として、相談に来たスタッフが「聞いてくださいよ」と話しはじめ、なんとなくなんの話なのかわかった頃に、わたしはいつもいったん話を止めて「それは、グチですか?」と質問をした。案の定キョトンとされるので、続けてこう説明する。 「それがグチなら聞き流すけど、もし解決したいなら、言い方を変えて話してみてほしい。○○がイヤだ、○○ができない ではなくて、△△がしたい、できる

    不満は財産、不安は鍵。|桜林 直子(サクちゃん)
  • 世界は「夢組」と「叶え組」でできている|桜林 直子(サクちゃん)

    ここのところ、脳内プチテーマとして「やりたいことがある人」と「やりたいことがない人」について考えていた。 ちなみにわたし自身は「やりたいことがない人」で、今のメイン仕事のクッキー屋さんも、決して「やりたかったこと」や「夢」ではない。シングルマザーが子供と生活するのに「お金と時間がない」というのがイヤで、「ひとの半分の時間でひとの2倍稼ぐ」という目的のために、自分のできることから消去法で削り出した手段で、どちらかというと「この方法しかないから仕方ないな…」と、しょうがなく始めたことだ。(はじめたらちゃんとやっていて、しぶしぶやっているわけではないという言い訳も念のため) わたしの場合、叶えたい条件に向かって考え尽くしてやることを決めたので、ある意味「(叶えるために)やりたいこと」ではある。だけど、わたしの考える「やりたいことがある人」というのは、もっと湧き出る「これがやりたい!」というものが

    世界は「夢組」と「叶え組」でできている|桜林 直子(サクちゃん)
  • 編集、コミュニティ、おすそわけ|桜林 直子(サクちゃん)

    今年に入ってから半年間、わたしは勉強をしている。 コルクの佐渡島さんが主催している「コルクラボ」というコミュニティ運営について学ぶ場に参加していた。 編集者の佐渡島さんがコミュニティについて学ぶのは、クリエイターから作品を引き出す従来の「編集」に加えて、今後、編集者は作品を届ける先のことまで編集しないといけないという仮説のもとだった。そして、その届け先を編集、デザインすることを「コミュニティをつくる」としてすでに実践している。 わたしはこのラボで、コンテンツ論や編集について、コミュニティ運営についてたくさんの情報を頭に入れ、佐渡島さんやラボのメンバーとたくさんの会話を重ねた結果、ひとつだけ確実にわかったことがある。 佐渡島さんは、編集という作業を「集める、削る、並べ替える、補足する」だと教えてくれた。 文章だけではなく、チームやお店、はたまた自分自身を編集するのにもこれは当てはまるけれど、

    編集、コミュニティ、おすそわけ|桜林 直子(サクちゃん)
  • 『冷凍都市でも死なない』わたしのひとり暮らしのこと|桜林 直子(サクちゃん)

    10歳のころから「ひとり暮らしがしたい」と思っていた。はやく自分でお金を稼いで、自分ひとりの空間で生活をしたいと願っていた。 東京出身なので「18歳で東京に出る」という目標もたてられず、高校生になって進路を決めるときは、ひとり暮らしができる方法として「早く仕事に就けること」だけで、専門学校に決めた。(北海道の大学に行く案もあったが、より早い自立を選んだ)内容は正直なんでもよかった。 しかし、19歳のとき、あと1年半で自立できるというときに父が倒れ、その後4年間の入院生活を送ることになった。しかもその際に、父が生命保険や医療保険を解約していたことが発覚し、お金と介護の時間が必要になったので、当然わたしのひとり暮らし計画はなくなってしまった。 10年もの間、ずっとひとり暮らしをしたかったのは、父から離れるためだった。近くにいるからうまくいかないけれど、距離さえとれば大丈夫だと思っていた。その父

    『冷凍都市でも死なない』わたしのひとり暮らしのこと|桜林 直子(サクちゃん)
  • 「分人主義」は、中学生の必須科目にしたらいいと思う。|桜林 直子(サクちゃん)

    平野啓一郎『私とは何か 「個人」から「分人」へ』を読んだ。の感想や紹介は苦手なので、読んだときの心の動きを、アホみたいにそのままお見せしよう。 「個人」を、さらに分けて「分人」という単位で自分というものを見て、人間関係を考える。ふむ。 一人の人間は、複数の分人のネットワークであり、そこには「当の自分」という中心はない。コミュニケーションは他者との共同作業である。会話の内容や口調、気分など、すべては相互作用の中で決定されてゆく。 つまり、人によって態度がちがうのはあたりまえで、「どれが当の自分だろうか?」と悩む必要はないよ、どれもこれも全部「自分」だよ、という。 え、揺るがない自分、芯のある自分、じゃなくてもいいの?と読み進める。 誰とどうつきあっているかで性格、個性にも変化があるはずだ。個性とは、決して生まれつきの、生涯不変のものではない。 他人や環境によって個性は変化するから、「

    「分人主義」は、中学生の必須科目にしたらいいと思う。|桜林 直子(サクちゃん)
  • 中2のあーちんと話した「時間とお金」のこと|桜林 直子(サクちゃん)

    中学生というのはとてもいそがしく、うちのあーちん(中2)も例に漏れずいそがしい。年に6回も定期テストがあるし(ということは2ヶ月に1度はテスト)その間に体育祭やら文化祭やら修学旅行やらの学校行事があり、部活も合宿も大会もあるし、ほんとうにいそがしい。 彼女の学校は毎週土曜日も学校があるので、休みは日曜日のみ。その中で週に1回更新する連載をもち、小3から一度も原稿を落としたことがない(しかも小6までは週2で更新)。すごい。 そんなあーちんは最近、友達とも遊びたいし、あたらしく興味をもってやってみたいことがあっても、なんだか時間がないな ということに気がついてきたようだ。 今だ!と、そのタイミングを逃さず「時間とお金をどこにつかうか」を一緒に考えた。 たとえば部活に時間をつかいすぎて他のやりたいことが何もできないのなら、もし部活をやめた場合どうなるかというと、部活につかっていた部費や合宿費で、

    中2のあーちんと話した「時間とお金」のこと|桜林 直子(サクちゃん)
  • 「一番のファッションは裸」by YOKO FUCHIGAMI(ロバート秋山)|桜林 直子(サクちゃん)

    あーちん(娘)と街を歩きながら話したこと。 わたしたちの前に、全身ピンク色で、フリルのついたミニスカートに、つばにレースのついたハットをかぶっている人が歩いていた。いわゆるロリータファッション的な装いだったのだけれど、足元だけ素足でつっかけのような汚れたサンダルを履いていた。素足の感じから、あれ、と思ってすれちがうときに見ると、すっぴんのおばあさんだった。あーちんはすこし動揺していた。 いろんなひとがいるねえ、と言って、街を歩いている人たちの服装をしばらくふたりで観察した。 どうしてそれを選んだのかわからない、自分では決して選ばないものを、この人たちはそれぞれお金を出して買って、好んで着ている。あれをまるごと明日自分が着ないといけないと言われたらつらいよね、あの人は服はかわいいけどバッグがなぜそれ、などと好き勝手に感想を言ったりした。 ひとそれぞれ好みがあって、体型、環境、優先順位(動きや

    「一番のファッションは裸」by YOKO FUCHIGAMI(ロバート秋山)|桜林 直子(サクちゃん)
  • 保育園落ちても生きて(できれば笑って)いこうぜという話|桜林 直子(サクちゃん)

    先日から話題の「保育園落ちた」関連について、思うことがあって、でもまあ書きづらいなー言わなくてもいいかなー怒られるのやだなーと思って書かなかったのだけど、日曜で読んでいる人も少ないだろうし、書いちゃう。 まず、保育園が足りないこと、多くの人がとても困っていること、それに声をあげたほうがいいということは、まぎれもない事実だ。 その理由もこの記事を読んで少しだけわかった。 そして国会で話題にあがるまで届いていて、誰もまちがってはいない。 しかし、だ。 まず「死ね」はダメ。どんなに憎くても、ダメ。 親として、ひとりのひととして、こどもにそのまま見せられる姿でなければいけないと思う。 わたしが今、赤ちゃんで、自分の親が、自分の住む国を悪として戦っているのを見ているとする。「死ね」と言って絶望しているとする。 ああ、わたしはとんでもない国に生まれてしまった。 おかあさんは自分のためにとてもいやな思い

    保育園落ちても生きて(できれば笑って)いこうぜという話|桜林 直子(サクちゃん)
  • 1