昨年の夏、嬉しい再会を果たした。 話は今から11年前に遡る。 2007年8月。 当時20歳だった僕は、大学3年の夏休みを利用して1ヵ月間インドを旅した。 暗闇と、危うい空気を孕むオレンジ色のライトが溶け合う夜明け前。 到着したインディラ・ガンディー国際空港で一緒に降り立った日本人乗客のうちの1人に彼女はいた。 互いに学生だとひと目見理解した僕たちは他の学生数人と一緒に到着ロビーで夜明けを待つことにした。 そして同世代の日本人に囲まれている安心感は、僕から危機感と責任感を奪い、明るくなるまで1人無責任に眠った(らしい)。 日が昇り、意外と爽やかで過ごしやすい夏の気候の中、一行はそれぞれリクシャーに乗り込むと空港を後にしデリー市内へと向かった。僕はウェス・モンゴメリを敬愛する男と行動を共にすることにした。 この後僕ら2人は、リクシャーの親父とぼったくり旅行会社にまんまとはめられ(独立記念日前後