※映画『オマールの壁』が映すもの(1)パレスチナのラブストーリーは日本人の物語でもある ※ネタばれ注意 パレスチナ映画『オマールの壁』の結末は、主人公のオマールが、自分をスパイに仕立てようとしたイスラエル秘密警察のラミ捜査官を銃で撃つというものだ。オマールがなぜ、ラミを撃ったのかは、映画の中で種明かしされるわけではない。謎解きは観客に委ねられる。 この結末の前に、この映画の人間的なドラマは終わっている。オマールとナディアのラブストーリーを縦糸とすれば、それに模様をつける横糸は、パレスチナ問題である。結末は、この映画でのパレスチナ問題に仕舞いをつけるものであり、当然のこととして、オマールとラミという「パレスチナ対イスラエル」の対比となる。 【参考記事】『オマールの壁』主演アダム・バクリに聞く パレスチナ映画であるなら、パレスチナ問題が縦糸で、パレスチナ人の若者のラブストーリーなど人間ドラマは
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