貧困度を測るためには、絶対的な貧困度や相対的な貧困度の指標が取り上げられる。前者の例としては、2005年以降1日1.25ドル未満(それ以前は1ドル未満)の所得の人の比率、後者の例としては平均所得(中央値)の半分以下の所得の人(世帯)の比率などが上げられる。 相対的貧困度の指標がOECDで算出されて日本は先進国の中でも貧困度の高い国だとされ、日本のマスコミや識者も取り上げた。社会実情データ図録でも取り上げようかと迷ったが見合わせていた。相対的貧困度は貧困度の実感とどう関係するか分からなかったからである。しかし、余りに多く取り上げられるので当図録でも掲載しないわけには行かなくなった(図録4654参照)。 貧困については古典的な定義がある。吉田兼好は14世紀に書かれた「徒然草」の中でこう言っている(123段)。 思ふべし、人の身に止むことを得ずして営む所、第一に食ふ物、第二に着る物、第三に居る所