バルディッシュは、巨大な刃先を持った斧状の鉾槍類です。バルディッシュはまるで斧のような形状をした穂先を持っています。 穂先には貫通型、あるいはソケット型のランゲットと呼ばれる補強帯があり、ここに柄の先を通して固定しています。 他の槍状の鉾槍類とは違い、突き刺すのではなく、相手に向けて叩きつけるようにして用いたとされています。 バルディッシュは16〜18世紀に渡り東欧で用いられていました。 16〜17世紀にはモスクワ大公国の歩兵部隊に配備されていました。 この時使われていたモノは『短いもの』と呼ばれ、通常の戦斧同様、振り回すようにして使われていました。 時代が下るとバルディッシュの柄は長くなり、短い物は騎兵用に使われるようになりました。 バルディッシュには刃渡り150センチにも及ぶ巨大な物も存在し、『大使』と呼ばれていました。 これは儀式や祭事の際に用いられていたとされています。