工夫を凝らす背景には、投資信託になじみのない世代を中心に1人でも多くの顧客が興味を持ち、投資を経験してほしいとの危機感がある。日銀の資金循環統計によると、家計金融資産約1830兆円のうち約54%を現預金が占め、投資信託の保有はわずか3.7%。2001年に小泉純一郎内閣が「貯蓄から投資へ」を政府方針としてから、間もなく20年となるが投資への移行はほとんど進んでいない。 AMOne営業企画部の泉谷正彰・資産形成ビジネス推進室長はその理由について、「投資は怖い、損をするとのイメージが強い」と指摘。1980年代後半からのいわゆるバブル期には普通預金の金利が2%を超えており、貯金をするのが最も安全との意識が強かった。「投資で成功体験を積む」機会がなかったことが超低金利下でも貯金を続けてしまう背景だと分析する。 金融庁が今年1月に公表した調査によると、金融事業者96社合算ベースで5割弱の顧客の運用損益
株式の配当などの金融所得への課税について、政府・与党は来年度の税制改正での増税を見送る方針を固めた。現状では、金融資産の多い富裕層ほど所得税の実質的な負担が軽くなることが課題になっていたが、株価への影響などを考えて見送ることにした。 所得税は現在、所得が多いほど税負担が重くなるよう、所得に応じて5~45%の7段階の税率が適用されている。しかし、株式の配当や売却益といった金融所得は、ほかの所得と分けて税額を計算することになっており、税率は一律20%に抑えられている。このため、合計所得に占める所得税の負担割合は、所得1億円を境に富裕層ほど軽くなり、「格差の拡大につながる」と指摘されてきた。 政府・与党は昨年末にまとめ…
国内29の銀行で投資信託を買った個人客の半分近くが、運用損失を出していることが金融庁の調べでわかった。運用成績は銀行ごとに大きな差異がみられたといい、各行の販売・運用姿勢や商品の品ぞろえが、顧客の資産形成に影響を及ぼした可能性がある。 金融庁が主要行9行と地方銀行20行の窓口で投信を買った客全員の今年3月末と購入時の投信の評価額を比べた。顧客が払う手数料も引き、実質的な「手取り」を試算すると、46%の人の運用損益がマイナスで、損をしていたという。購入した時期にもよるが、株価が上昇基調で比較的「損をしにくい」環境のなかで、比較的多くの人が損をしていたことになる。 同庁によると、平均で10%以上の運用益を出している銀行が6行ある一方、平均の運用損益がマイナスだった銀行も1行あった。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く