先生(私)は子どものころ、運動会の徒競走で、いつも4番か5番か6番でした。それで、徒競走が大嫌いでした。特に、スタートする前が嫌でした。みんな速そうだなとか、このメンバーだとまたビリかビリ2番だな、とか考えて、すごくドキドキしていました。 3年生のときの運動会で、こういう状態でドキドキして待っていると、隣に並んでいた子が話しかけてきました。「ぼく、走るのがすごく遅いんだ」「そう? ぼくもだよ」「じゃあ、2人で一緒に走らない?」「えっ?」「1人だけビリになるの嫌だから、一緒に走って一緒にビリにならない?」「うん、いいよ」。 そして、いよいよ、スタートのときがやってきました。「位置について、ヨーイ、ドン!」。杉山少年(私。本名が杉山です)は一生懸命に走りました。横を見ると、一緒に走ろうと言ってきた子も一生懸命に走っています。ところが、そのうち、あれ、あれ、なんと、その子がだんだん前に行ってしま