インド東部の貧困地域で、反政府武装組織インド共産党毛沢東主義派(毛派)に扇動された農民が、警官や政府職員を追い出し、自治を宣言した。「解放区」は250の村々に広がり、インド政府は対応に苦慮している。 乾期のため耕す者のない荒れ果てた田園地帯。一本道が突然、行き止まりになった。インド東部の中心都市コルカタから車で約4時間。深さ1メートルほどの溝が何者かによって掘られ、先に進めない。さらに1時間ほど歩き、アンダルジョラ村にたどり着いた。 家々は戸を閉め切り、静まりかえっている。見張り役の男に声をかけると、「みんな出てこい」と叫んだ。 あっという間に男女約300人に取り囲まれた。鎌やくわ、キツネ狩りに使う弓矢、棒きれを手に武装している。「警官は手当たり次第、村人を逮捕しては、カネをせびる」「政府も警察もない方がましだ」と気勢を上げた。 地元の西ベンガル州政府と村々の対立が始まったのは昨年