福島原発の事故以降、「脱原発デモ」が盛り上がりを見せる一方、世間一般では「脱原発」への意識が二極化し始めている。原発がいいか悪いかは別として、国家の命運をも左右するエネルギー政策の議論がトーンダウンしかねない風潮を懸念する声は、小さくない。また、脱原発デモ参加者の中にも、なかなか主張が政策に反映されないことに対して焦りを感じる人が増え、運動のあり方について意見が二極化するトレンドが出てきている。昨年の3.11以降、リアルに「生存の危機」に晒され、脱原発への意識を高めていた国民の心境に、どんな変化が訪れようとしているのか。その背景にある原因と、今後我々が議論すべき課題を探った。(取材・文/プレスラボ・宮崎智之) 国会まで包囲した「脱原発デモ」 熱狂を冷めた目で見る若者たちも 「脱原発には賛成だし、デモをする人の気持ちもわかるけど、デモより有効な手段があるように感じるため、私は参加しません」
