交渉(ネゴ)は苦手だ、と悩む人は多い。しかし、わたし達が組織や社会で仕事をしている限り、上司や顧客・周囲の人などへ、自分の意見への合意や理解を求める場面は、数多い。自分のアイデアを理解してもらう事は、広い意味のセールス(売り込み)であり、交渉の一種である。そしてもちろん、相手の人達から、何らかの譲歩を取りつける必要だって、しばしばあるだろう。 わたしは大学や社会人相手に、プロジェクト・マネジメントの授業や研修を行うとき、できるだけ「交渉」に関するレクチャーを入れることにしている。プロジェクトを進める際には、必ず交渉の場面が出てくる。交渉能力は、プロマネの能力の重要な一部だ。だから拙著『世界を動かすプロジェクトマネジメントの教科書』 でも、交渉の練習をする場面を入れている。 だが、ネゴシエーションの技法や、交渉の戦略論を教えてくれる大学の授業は、滅多にない。だからたいていは、素人同然のまま社