ソリューションプロバイダの2008年度の業績は全体として悪化した。この状況をITサービス会社に精通した証券アナリストは、どう見ているのか。今期以降の展望や不況に強いソリューションプロバイダになるための条件について、議論してもらった。(司会は本誌編集部、文中敬称略) 昨年度のソリューションプロバイダの業績をどう見ていますか。 菊池 想定内とはいえ、きつかったなあ、という印象です。ただし、ITサービス業界は2008年度の業績が底で、さらに悪化することはないと見ています。 上野 同感です。ここまでの不況だと、10~20%減収といった企業が多くても不思議ではない。ところが大手SIerの2008年度の売上高を見ると、そこまで落ちてはいません。 これは、不景気でも安定して稼げるストック型ビジネスの存在が大きい。大手ITサービス会社の場合、システムの運用・保守やアウトソーシングの売上高比率が4~5割を占