「どうして70年間も、ここにいなければならなかったのか」――。岡山県にある国立ハンセン病療養所・長島愛生園で暮らす元患者の中尾伸治さん(83)は疑問に感じている。病気はとっくに治っているのに、国の隔離政策で差別や偏見の目にさらされ続け、療養所で暮らさざるを得なかったからだ。そうした人たちは他にも大勢いる。入所者の思いやハンセン病を語り継ぐ意味とは……。まずは動画で見てほしい。(三重テレビ放送/Yahoo!ニュース 特集編集部) JR岡山駅から東へ車で約1時間。長島(岡山県瀬戸内市)は瀬戸内海に浮かぶ東西6キロの細長い島だ。この島にある長島愛生園は日本初の国立ハンセン病療養所として1930年に開園した。本土からの橋「邑久(おく)長島大橋」が架かったのは1988年のこと。それまでは離れ島であり、船でしかたどり着く手段がなかった。事実上、“隔絶の島”だった。