香港の司法当局は、作家・村上春樹さんの小説「騎士団長殺し」について、暴力シーンやわいせつ表現を含む物品などの流通を規制する条例に基づき、18歳未満の青少年への販売を禁止する決定をした。公表は12日。書店では本をビニールなどで封をして、警告文を貼る必要がある。香港メディアが伝えた。 司法当局が内容を審査したところ、暴力や堕落、不快な表現など、公序良俗に反する出版物だと判断した。小説のどの部分が条例に抵触したのか、具体的には明らかにしていない。 この本を販売していた香港のブックフェアでは、決定を受けて撤去する措置がとられた。ファンからは「村上さんの他の作品には、より過激な表現が含まれている」として、司法当局の判断は一貫性を欠いているといった批判がある。(広州=益満雄一郎)