環境変化に適応するためには生物はDNAを組み換えることにより、同類他者=変異体を作り出すことだ(7)。すなわち、同一の自己を複製するのではなく、可能な限り多様な同類他者、非自己を作り出すことこそ、あらゆる進化の源泉だ。けれども、変異体を産み出すことは極めてリスクが高い営みだ。変異体は必ずしも種の保存に適応的であるとは限らない。すなわち、生物たちが直面したのは、安定性を保持しつつ、同時に変異を創り出すという極めて困難な課題だった。変異と安定という一見合い反する機能。これを両立させる。この突破口を開いたのが、雌雄分化だ(9)。原核生物から真核生物へと進化を遂げた生物は、「二倍体生物⇒減数分裂⇒有性生殖」という新たな『安定+変異システム』を構築していく(7)。 種の保存も生物の最大の課題だ。生殖は生物にとって最大の課題だが、最大の負担でもある。種を保存するためには、①生殖と②摂食の二つをバランス