エピジェネティクス~世代を超えて情報を伝える仕組み 生命科学の新しい概念「エピジェネティクス」。DNA塩基配列の変化によらない遺伝子発現の変化が細胞世代を超えて継承される現象の存在が明らかになりました。これはラマルク説(獲得形質の遺伝)の再来なのでしょうか?それとも、新しい生命観の誕生なのでしょうか? 今回は、ラマルクの用不用説「獲得形質の遺伝」~「エピジェネティクス」までの進化論の移り変わりを俯瞰します。 ■ラマルクの進化論~「用不用説」と「獲得形質の遺伝」 19世紀の初め、博物学者ラマルクは、1809年、『動物哲学』において、「用・不要説」と「獲得形質の遺伝」からなる進化論を提唱しました。 ラマルクの考え方は、「生物は単純から複雑へ発達する傾向を持つと説き、また、外界の影響による変異や用・不用による器官の発達・退化などの変化(獲得形質)が遺伝することも進化の重要な要因であるとする(用不