アジアの新興国に出張などで来られる日本人の方々から、ちょっちゅう聞く言葉がある。 「意外と発展してるんですね」 これは初めて来た方であればほぼ100%と言っていいくらい皆さんおっしゃる感想であるが、「意外と」という言葉が既に示している通り、この感想を抱くに至る元の前提が現実と異なっている。その前提とは以下のような誤解である。 新興国は日本よりかなり遅れている。 新興国の人は日本人より貧乏だ。 大多数の日本人がそのような誤解をしている。 何故そのような誤解が生じるのだろうか? その理由は、「統計のまやかし」である。 統計そのものは数字であって、現実ではない。特に新興国のようにダイバーシティ(多様性、格差)が大きい場所では、「平均値」というものはほとんど無用であり、危険ですらある代物である。 例えばこういう事だ。 すごく貧乏な人が、すごく沢山いる国は、統計上では「すごく貧乏な国」となる。 でも
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