2020年10月5日、緊急派遣出発に対応できるか、という打診が入った。 アルメニアが実効支配するアゼルバイジャンのナゴルノ・カラバフ自治州で両国の軍隊が衝突し、緊張が高まっていた。国境なき医師団(MSF)は、被害状況と医療ニーズのアセスメントをするチームをすでに派遣しており、同時に、必要があればいつでも出発できる外科チーム編成に取り掛かった。私はその外科チームメンバーの1人、手術室看護師としていつでも出発に応じられる待機要員となった。そして、すぐに色柄ものの下着と靴下を買いに走った。 初めての派遣、あれもこれも詰め込み失敗 紛争地派遣には、いったい何を持っていくのかと興味津々に聞かれることが多い。実はみなが普通に海外旅行に行く準備とあまり変わらないのではないだろうか。 MSFの多くのスタッフはバックパック一つでやってくる。中身は着替えと日用品が中心だ。 私たちは現地で野宿をするわけではない
![黒いパンツだけは持って行ってはいけない。紛争地赴任時の我がオキテ | 朝日新聞デジタルマガジン&[and]](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/5b8085d5764eb32c60354e622bad4cd8f1ea3c95/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.asahicom.jp%2Fand%2FM%2Fwp-content%2Fuploads%2F2020%2F11%2F201120_kokkyo_firstview.jpg)