マグニチュード9.0 杉山さんらは装備品を積んだ車両で本社を出発した 2011年3月11日の東日本大震災から1年。国内観測史上最大のマグニチュード(M)9.0を記録した巨大地震と、それに続く大津波で、東北の太平洋岸を中心に死者・行方不明者1万9000人以上という未曽有の被害をもたらした。 日本赤十字社は直後に災害救護活動を始動させ、これまでに6500人以上を派遣、8万7000人以上を診療した。初動で、日赤職員たちはどのように行動し、何を感じたのか。救護・医療活動を支えた人たちの動きを追った。(敬称略) 震度7、初動班出動 午後2時46分、東京都港区芝大門にある日赤本社ビルも強い揺れに見舞われた。室内を仕切るパーティションが激しい音を立てて倒れ、壁の一部にはひびが入った。 テレビの速報は宮城県北部で震度7を記録したことを伝えている。即座に、最も緊急性の高い「第3次救護態勢」が組まれ、本社から