こちらのページは以前、日経BP社 FoodScienceに掲載されていた記事になります。 当サイトから新規に投稿された記事については、こちらよりご覧ください。 食品添加物に関する最近の報道には、科学的な誤りがあまりにも多過ぎることを先週書いた。なぜ、これほど多いのか。もちろん、間違った情報を流す人がいるからなのだが、どうも取材する側も「たかをくくっている」という感じがする。宇宙物理について書こうと思ったら、だれでもそれなりに勉強するだろう。ところが、添加物に関してはちっとも学ぼうとしない。いや、添加物だけでなく、食に関する問題全般が甘くみられているところがある。だから、感覚で語られてしまう。 例えば…。「昔は食品添加物なんてなかった。だから今の食べ物はダメだ」式の言説が、マスメディアでは平然とまかり通っている。昔、肉などの保存に岩塩をふんだんに使ったのは、岩塩に硝酸塩が含まれていたためだ。