最近、小中学生を対象とするプログラミング教育の議論が盛んになってきた。政府の産業競争力会議が2013年6月に発表した「成長戦略(案)」の中に「義務教育段階からのプログラミング教育等のIT教育を推進する」という文言があることも影響しているのだろう。 小中学生へのプログラミング教育に関してはその必要性の有無を含めて様々な意見があるだろうが、議論の際に忘れてほしくないと思うのは、「1980年代には誰に強制されることもなく、自発的にプログラミングに興味を持った子供が、全国津々浦々にたくさんいた」という事実である。 “たくさん”というのはどれくらいかと問われると、残念ながら統計的なデータは持ち合わせていない。ただ、80年代に筆者が小学6年生だったとき、同じクラスでパソコンを所有し、プログラミング言語「BASIC」をかじっていた人間は筆者を含めて4人もいた。小学校はごく普通の市立小学校だ。1クラス4人