「緊急対応の依頼が1週間に2桁ほど来る。依頼の大半を断わらざるを得ない状況」(ファイア・アイ日本法人)「昨年比で10倍の問い合わせが来ている」(ラック)──。標的型攻撃などのサイバー攻撃に対応するセキュリティ企業に、緊急対応の依頼が殺到している。 その背景にあるのは、日本年金機構から情報を漏洩させたマルウエア「Emdivi」や、Adobe Flash Playerの脆弱性を悪用したサイバー攻撃が多発していることだ。 民間企業のインシデント対応組織チーム「CSIRT」の互助団体、日本シーサート協議会の寺田真敏運営委員長は、近年のサイバー攻撃の特徴について「2、3年前よりもマルウエアの技術や機能が飛躍的に向上している上、企業を問わず広範かつ大量にばらまかれており、標的型攻撃というよりスパム攻撃に近い」と語る。「標的型という呼称には、大企業が狙われるイメージがあるが、実際には中小企業も含めて広範
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