先の国会の終盤、発送電分離をにらんだ電気事業法改正案や、不正受給防止を目指した生活保護法改正案などが、参議院での首相問責決議のあおりを受けて軒並み廃案となった。民自公3党が賛同していた点は、2013年5月24日に成立した「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」、いわゆるマイナンバー法・番号法と同じである。成立と廃案の明暗を分けた要因の一つは、法案審議の順番だった。終盤国会の混乱ぶりを見て、マイナンバー法に関わる官民の関係者の中には「もし順番が逆だったら」と肝を冷やした人も多かったのではないだろうか。 民主党政権のときから2年越しでようやく成立したマイナンバー法は、すでに5月末に官報公布され、2015年10月ころに施行される見通しである。同制度では、住民一人ひとりに12桁の個人番号を割り当て、まずは社会保障・税・防災の分野で2016年1月から運用が始まる。日本国