従来の化学療法とは違い、腫瘍細胞などに特異的あるいは過剰発現する特定の分子(抗原)やそのシグナル伝達経路を選択的に標的とする治療法(薬)のことで、その分子を選択的に障害・中和したり、その分子の生理的機能を阻害することによって増殖抑制作用などを起こすもの。従って、治療の対象となる腫瘍細胞が標的となる分子を発現していることを免疫組織化学染色などで確認することが重要となる。 治療薬には舌を噛みそうな名称のものもあるが、概ね以下のように理解すると良い。 【抗体薬】モノクローナル抗体(MAb)を治療薬として使うもの 語尾が~mab 「~マブ」で示されるもの ~momab 「~モマブ」/~omab:マウス(m)などヒト以外の生物由来のモノクローナル抗体 ~ximab 「~シマブ」:キメラ抗体(可変領域[v]はマウスなど、定常領域[c]はヒト抗体) ~zumab 「~ズマブ」:ヒト化抗体(相補性決定領域