1.休憩時間に労働していたという主張 フルタイムの労働者が時間外勤務手当等(残業代)を請求するにあたり、休憩をとらずに労働していたと主張することがあります。 しかし、休憩時間も労働していたことの立証が成功する事件は、それほど多くはありません。個人的な実務経験の範囲でも、なんだかんだ理屈をつけては、裁判所は一定の休憩時間の存在を認定する傾向にあります。 それでは、この傾向は、労働契約で設定されている休憩時間がやたら長い場合にも妥当するのでしょうか? 業種によっては早朝と夕方以降に業務が集中していて、昼にやたら長い休憩時間が設定されていることがあります。こうした場合に、休憩時間中も稼働していたことの主張、立証を試みる場合にも、やはり休憩時間の切り崩しは難しいのでしょうか? この問題を考えるにあたり参考になる裁判例が、近時公刊された判例集に掲載されていました。大阪地判令3.1.12労働判例ジャー