[東京 31日 ロイター] - 日銀が31日に打ち出した「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」は、かなり精緻に組み立てられている。イールドカーブ・コントロール(YCC)の下でゼロ%となっている長期金利の水準に一定の変動幅を持たせるとともに、新たに政策金利のフォワードガイダンスを設定。短期的に金利が跳ねないように配慮された組み合わせと言える。 一方、物価が上がり出せば、フォワードガイダンスが市場の予見可能性を高め、いずれかの時期に長期金利目標を引き上げる際に、非連続な変化が起きないようにするバッファーの役割も果たすのではないか。今回の対応は、短期と中長期の両方に備えたかなり「ハイレベル」な機能を実は装備したようにみえる。 <短期的に弱く、中長期的に強くなる物価> 日銀は今回の展望リポートで、物価見通しを18年度─20年度までそろって下げ、物価2%の達成に向けた超緩和策の実施が、長期戦になる