ソフトウエアの改造力が足りない――。そのために,システムの変更作業でミスが生じ,次々とトラブルが引き起こされている。 2006年5月9日,シティバンク(エヌ・エイ在日支店)で顧客口座の取引処理にかかわるシステム障害が発生。約6万9800件の取引が二重処理された。原因は,追加したプログラムの不具合。シティバンクは,「障害が発生した原因は、新規プログラム導入に際し、口座取引情報処理において間違ったシステム処理が発生したものです。十分事前テストをいたしましたが実際の運用に際し、結果的に、予想しなかった不具合が発生しました。」と発表した。 2006年6月19日には,プログラム変更のミスによって,労働金庫連合会のシステムにトラブルが発生。総額5億円を超える送金に失敗した。この実例から,なぜ改造が引き金となってトラブルが発生するのかを見よう(図1)。 図1●改造のミスはトラブルに直結する 6月19日の
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