【要約】 ある所に、正直福衛門(しょうじきふくえもん)という爺さんがおったそうな。 福衛門夫婦には子どもがおらなんだで、いつも嘆いて暮らしていたそうな。 ある日、福衛門が、グースカ昼寝をしていると、夢の中に仙女の西王母(せいおうぼ)が出て来て、 「これまで正直に生きてきたお前に子どもがいないのは、なんともカワイソーなので、子どもを一人授けてやろう。ぜってー疑うなよ、マジだから!」 と言って、枝付きの桃を与えたそうな。 北尾政美(きたおまさよし)画『桃太郎一代記』天明元[一七八一]年刊 桃太郎一代記 5巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション ※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。 ※画像は拡大できます。 【翻刻】【補足表記】【現代語訳】 こゝに正しきふく◆ゑもんといふもの◆あり日ころ一子な◆きことをなけき◆くらしけるか◆ひるねし◆てセいわ◆うほ