東京電力は9日、原発停止による電源不足の対策として鹿島火力発電所(茨城県神栖市)内に緊急設置しているガスタービン発電設備を高効率化したうえで恒久電源化する、と発表した。当初は2~3年の臨時電源の位置づけだったが、原発の再稼働が先行き不明なための代替措置にした。 東電は都市ガスを使ったガスタービン(1300度級、出力26万8000キロワット)3台を7月に運転開始し、今夏の電力需要期の供給力に加える予定。 今回、廃熱を利用した蒸気タービンをこれに増設して「コンバインドサイクル化」することで、熱効率を37.1%から約57%に高め、出力も計80万4000キロワットから124万8000キロワットに引き上げる。今月中旬から着工し、2014年7月までに順次運転開始する。投資額は非公表。 東電は千葉火力発電所(千葉市)の緊急設置ガスタービンでも同様の増強策に着手したが、他はスペースの制約などで、増強は難し