これまで並行処理のためのデータ型として,第12回ではTVar型やMVar型,第14回ではChan型やTChan型などを取り上げてきました。一方,並列処理のためのデータ型はあまり説明してきませんでした。取り上げたのは,第10回や第24回のコラムで説明したデータ並列Haskellの並列配列くらいです。 たしかに,並列HaskellやParモナドを利用すれば,並列処理のための特別なデータ型を使わなくても並列処理は可能です。しかし,目的とする処理の並列化に特化したデータ型が用意されているのであれば,それを利用したほうが簡単かつ効率的に処理を行えます。 そこで今回は,並列処理用のデータ型の一つとして提供されている「repa(REgular PArallel arrays)」の並列配列の基本を説明します。repaはデータ並列Haskellプロジェクトの一環として開発が進められているライブラリです。デー