エネルギーや安全保障の専門家として発言や行動を続ける独立総合研究所(独研)社長の青山繁晴氏が2年4カ月ぶりのノンフィクション『ぼくらの祖国』(扶桑社)を上梓した。原発や新エネルギー「メタン・ハイドレート」をめぐる既得権者の妨害との闘いや、隠蔽された真実が明かされる。 共同通信記者から三菱総研の研究員を経て、ひも付きでない独立系シンクタンクを設立した青山氏。昨年4月に許可を得て外部専門家として初めて福島第1原発に入り、内部映像を公表、大反響を呼んだ。首相官邸が「逮捕しろ」と捜査当局に不当な圧力をかけたいきさつも描かれる。 事故前からテロなどによる原発のリスクを強く訴えてきた青山氏は同署で現時点での最大リスクを「津波が再来したら、今度は原子炉そのものを直撃する。そのときこそ、チェルノブイリと真に並ぶ厄災になるかもしれない」と指摘する。 原子力災害が起きた今、自前の資源として最も有望な新エ