素粒子を衝突させ、宇宙創世の謎の解明を目指す次世代加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の建設を求める国際研究チームは15日、施設で使う加速器や検出器の設計書が完成したと発表した。チームは今後、各国政府に対し、建設の働き掛けを本格化させる。 ILCは、長さ約30キロの直線状の地下トンネルに設置した超電導加速器で、電子と陽電子を光のスピード近くまで加速して正面衝突させ、宇宙初期と同じような高エネルギー状態を再現。そこから生まれるさまざまな素粒子を検出器で調べ、「ヒッグス粒子」や「暗黒物質」などの研究を行う。 建設費用は約7700億円。建設地には、岩手県・北上山地や佐賀・福岡両県の脊振山地のほか、スイスのジュネーブや米シカゴなどが候補に挙がっている。