第1回で、車載ソフトが悪意ある攻撃者の対象になりつつある自動車技術の大きなトレンドを示した。現在、情報セキュリティの研究者らは自動車への攻撃手法を検討し始めている。情報セキュリティの世界では防御の手法を練るのと同時に、どんな攻撃を受ける可能性があるのか研究することが大切である。第2回は現時点で公開されている研究のうち、代表的な4例を紹介する。 【事例1】発端となった米国の研究論文 2010年、実証実験に基づく論文「Experimental Security Analysis of a Modern Automobile」が公開された(図1)。論文では、自動車の保守点検用ポートに特別な機械を設置し、並走する車両から車載システムの脆弱性をついた攻撃することで、ブレーキやワイパーの制御に影響を与えられることを明らかにした。 この論文では、対象車両の通信を盗聴して解析し、認証すること、および発信元
![第2回 車載ソフトへの攻撃例が続々](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/bed39b5962a5d552c95b6d796db8f55e72d32943/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fxtech.nikkei.com%2Fimages%2Fn%2Fxtech%2F2020%2Fogp_nikkeixtech_hexagon.jpg%3F20220512)