ブックマーク / www.newsweekjapan.jp (3)

  • 文革を語った温家宝の狙い

    中国の温家宝(ウエン・チアパオ)首相が先月末、母校である天津の南開中学でつらい過去を語った。病気になった自分のために父親が時計を質に入れて薬代を工面したこと、身動きできないほど小さな部屋で家族5人が暮らしたこと......。 そして話が文化大革命のくだりに差し掛かると会場は静まり返った。「家族は迫害され続けた」──温は教育者だった祖父と父親が紅衛兵に苦しめられたことを初めて明かした。 これまで文化大革命について口にした中国指導者はほとんどいない。それは政治的タブーだった。温はタブーを破ることで、未来の指導者たちに過去の過ちを繰り返すなと暗に示したのだろう。 小学校の教師だった温の祖父は死ぬまで「自己批判」を強要された。「祖父の学校にはまだ書類が残っている。小さく整った字で書かれた自己批判書が」 文化大革命を語ることがタブーとされるのは、毛沢東の悪いイメージが助長されるからだ。今年8月、習近

  • 両性具有モデル、リア・Tのランウエー革命

    性差を超えて 今は自信に輝くリアも10代の頃は自分のアイデンティティーを疑い自己嫌悪に陥った Thiago Bernardes-Latincontent/Getty Images ヘビ柄の水着にピンク色のホットパンツ。そのモデルはトロピカルなセットの向こうから登場すると、見事なキャットウオークでランウエーの先端までやって来て、居並ぶカメラに向かって腰を右、左に入れてポーズを決めた。 水着からのぞく下腹部にはドラゴンのタトゥー。遠く離れた一般席からは口笛が聞こえてくる。5月30日〜6月4日にブラジルのリオデジャネイロで開かれたサマーウエアの祭典「ファッション・リオ」で、何より話題をさらったのは、モデルのリア・T(29)だった。 期間中は連日、魅力的なモデルたちがセクシーな水着姿でランウエーを練り歩いたが、すべてはリアの前座のようなものだった。そんなブラジルでいま一番ホットなニューフェースが、

  • 1%の「庶民の敵」が貧しい子供を救う

    未来への投資 低所得層の子供たちが質の高い教育を受けられるよう、富裕層の支援が必要だ Chris Hondros/Getty Images それはリベラル派が目をむくような光景だった。ウォール街占拠のデモをよそに、ニューヨークのホテルの大ホールでヘッジファンドのマネジャーたちがポーカーに興じる──。 ただしその目的はチャリティーだ。ニューヨーク市内の低所得層地域でチャータースクール(公的助成を受けた自主運営校)を9校運営する、非営利団体サクセス・チャーター・ネットワークの資金集めのためのポーカー大会だった。 マネーゲームが大好きな連中がポーカーに熱中するのは意外ではない。だが彼らがギャンブルで稼いだカネを、現行の教育制度を揺さぶる試みにつぎ込むなんて! ちょっと衝撃的だ。 でもこれには訳がある。金融業界のエリートたちは、ウォール街を埋めたデモに対して説得力のある答えを出したいのだ。「われわ

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