「私がやっていることは、かなりリベラルなんだよ。国際標準でいけば」 衆院を解散し、総選挙を控えた10月。安倍晋三首相は、自らが打ち出した経済政策について周辺にこんな表現を使って解説をした。 ここで言う「リベラル」とは、政治的な立ち位置のことではない。経済を市場や民間に委ねるのではなく、政府が積極的に関与し、所得再分配の機能を強めていくという文脈で使った表現だ。 子育て支援や非正規労働者の待遇改善を掲げた「1億総活躍社会」、女性活躍、働き方改革、企業への賃上げ要請――。政権に復帰してから26日で5年を迎える首相が打ち出してきたものには、政府の役割や規模を拡大する「大きな政府」を志向するような政策が目立っている。 教育の無償化などの2兆円の政…