学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る財務省の決裁文書改ざん問題で、2018年3月に自殺した近畿財務局の赤木俊夫さん(当時54歳)の妻雅子さん(49)が国などに計約1億1000万円の損害賠償を求めた裁判が続いている。赤木さんの遺書や手記が公表されるなど新事実が次々と明らかになっているにもかかわらず、政府は「終わった話」として、これ以上説明するつもりもなければ、再調査をするつもりもない。 しかし、この問題は人が亡くなっているうえに、日本の官僚のあり方、民主主義の基本に関わることだ。真実を明らかにしないまま、このまま終わらせるわけにはいかない。 音声データ、ファイルの存在……明らかになる真実 雅子さんは、赤木さんの元上司と19年3月に面会した際の録音データを地裁に提出している。そのテープには、売却の際に地中ゴミの撤去費として約8億円値引きしたことに関し、元上司が「8億円の算出に問題がある。撤