人のやる気を引き出し、古い体質を変え、新しい事をやり遂げる。日本に今求められている事であり、NTTの社長・会長を務めた真藤恒氏が生涯取り組んだ事でもある。著書『歩み』(NTT出版、1989年)に収められた語録から、同氏の考えと姿勢を学ぶ。講師は真藤氏から直接指導を受けた石井孝氏(元NTT常務)である。 (『その1:事務屋、技術屋ではなく社会人たれ』から読む) (『その2:勇気なきインテリは「熟慮不断行」』から読む) ◇ ◇ ◇ 【エラーを恐れずトライせよ】 誰でも背任行為をしたとき厳罰を受けるのは当然のことである。それでは何か仕事をして失敗したらどうか。減点主義で臨むか。漫然と仕事をして失敗すれば、怠慢の罪に当たるだろうが、何かに積極的に取り組んでいる時の失敗を、どう考えるかである。 私はいくつもの失敗を重ねてきた。経験のないことをやれば、うまくいかないのは当たり前だ。欠陥が出る。