《東京国際映画祭:星取りレビュー》「ダルフールのために歌え」(★★☆☆☆)2008年10月25日 印刷 ソーシャルブックマーク (C)2007 Sing for Darfur ■世界の一端から見る惨劇の光景とは 残忍な大量殺戮が行われているスーダンのダルフール紛争をテーマに選んだセンスはよい。洗練されたモノクロ映像で、スペイン・バルセロナの街でうごめく人々を躍動的に映した手際も鮮やかだ。実験的な意欲作との呼び声もあった。が、すぐ隣アフリカからの悲痛な叫びを、バルセロナの風景に映し込むことはできなかった。 国連安保理もスーダン政府に警告や非難を度々発したダルフールの大虐殺。映画人もこぞって、非難の立場を明らかにした。スティーブン・スピルバーグ監督は、スーダンと貿易関係の深い中国に対し、紛争への対応に不満を示して北京五輪の芸術顧問を辞退した。ジョージ・クルーニーはダルフールを実際に訪れ、停戦や