有名企業の倒産やトラブルの実態を分析してみると、その根本に「愛国心が消え失せた」ことがあると気づく。 トヨタは、有名な「看板方式」で一躍世界のトップに上り詰めたが、つまるところ「クオリティーコントロール=品質管理」がうまくいったことにあった。 昭和58年、私が防衛研究所の研修生だったころ、日産自動車座間工場を見学したことがあった。そのとき、ラインに並んだロボット達がいっせいに溶接作業をしていて、流れるようなその中で監督官が作業の具合を点検し、不具合が見つかると直ちにラインから外してタグをつけ、人間の手で確実に修復したあとラインに戻していたが、その丁寧な作業を見た防研同期の米軍人が私にこう言ったことが忘れられない。 「クオリティーコントロール」とは米国が開発した品質管理方式だが、能力にばらつきがある工員達を抱えた米国の自動車産業界に根付くことはなかった。ところがこれは一定の高度な能力と、日本