関東大震災に関するネトウヨ連中のヘイトスピーチの元ネタとなっている悪質な虐殺否定本『関東大震災「朝鮮人虐殺」の真実』(工藤美代子、2009年)。 この本の中で工藤は、ロンドンのナショナル・アーカイブスで見つけた外交文書と称するものを紹介している。[1] 帝国ホテルの恐怖体験記 警備当局が把握していた「鮮人による襲撃」情報が間違いではなかったことは、ここまでの新聞記事と目撃談などで明らかである。 そのなかで、炎上する警視庁の目の前、皇居前広場、日比谷公園界隈の避難民は襲撃に脅えながら二日目の夜に入っていた。 丸の内一帯から日比谷公園にかけてはすでに避難民が密集し、身動きもとれないほどの混乱状態を来していた。とりわけ皇居前広場では三十人からの朝鮮人の一団が、充満している避難民に抜刀し切りかかってきたとの情報が日比谷警察に入っている。事態はまさに切迫していた。 その日比谷公園の正面にある帝国ホテ